【次の一手】21手先の勝利を読み切る!
スポンサーリンク
48飛と角取りに飛車を打ち下ろされた局面。局面があまりにも大差なので45歩と受けるくらいでも勝ちなのだが、できればもっと気の利いた手を指したいところだ。
そこで局面を冷静に眺めてみると、敵陣の重大な欠陥に気づいた。そう、私はこの局面で早くも勝ちを読み切ってしまったのだ。
32飛〜34飛成。
銀を取りながら角を守った好手だ。しかし、このくらいの手は誰でも思いつくところ。私の真の読みはこの先にある。
33金。この両取りを待っていたのだ!
相手はこう指すより他にないだろうと踏んでいた。
どうしてわざわざ両取りを食らうような展開に持ち込んだのか。それはこのあと明らかになる。
少し進んで上図。ここでついに真の狙いが炸裂する。この手を指したいがための一連の手順だったのだ。
55桂。これで終わりだ。
「敵陣の重大な欠陥」とは、63の地点が空いていること。そして、その弱点を狙うには桂馬が必要だった。そこで32飛〜34飛成で33金打ちを誘い、桂馬を入手した。あとはその桂馬を55に打ち付ければ相手陣は受けなし。
これが74手目で私が思い描いた勝利のシナリオだ。
放置すれば63銀〜43銀と詰めろをかければ良かろう。詰みもありそうだが、自玉が堅いので慌てる必要もない。ゆっくり受けなしに追い込む方が確実でよい。
本譜は72玉と逃げてきたが、これには簡単な即詰みがある。
71角が手筋の好手。これさえわかれば難しいところはない。
最後は頭金まで。