【終盤の考え方】遊び駒と寄せの構図
スポンサーリンク
54歩に52歩と受けてきた局面。
駒得&堅陣だが、16飛が遊んでいるのが気になるところだ。どうにも使いづらそうなので、この飛車はいずれ角と刺し違えて使うことになるだろう。例を挙げれば、37桂成に15飛 同歩 37桂のような筋だ。なんにせよ、角はいつでも手に入れられるというのがポイントになる。
さて、次は後手陣に目を向けてみよう。美濃囲いがしっかりしているようだが、桂馬がいないためにどこかスカスカしている印象だ。また、金の枚数が一枚少ないのも気になるところ。74歩型でコビンが空いているのも気持ちが悪い格好だ。
上記の考察をまとめるとどうなるのか。
桂馬を控えて打つ。一見意味不明だが、この手が後々効いてくるのだ。
飛車をぶった切り、手にした角で王手。このラインで攻めるのが急所と見た。コビン攻めは相手の61の金を相手にしないで済むのでお得だ。上部がスカスカな後手は受けが難しい。
「角には角」が手筋の受けだ。ここで64金が目につくが、同角 同角 73金でハッキリしない。そもそも、77桂の効果が現れない手順はおかしいに決まっているのだ。慌てず騒がず、力を溜めていきたい。
64歩が冷静な決め手で、これでオシマイだ。
65桂!この手を指したいがための77桂だったのだ。
私の思考を以下に示そう。
角のラインで攻めるのが急所
→相手は73の地点で受けてくるしかない
→65桂で集中砲火できればウマイ
→77桂と控えて打っておこう
このような考えから77桂を打っている。そう、65手目の段階で、20手先の勝利の構図を描き切ってしまったのだ!
あとは簡単だ。とにかく73の地点だけ狙い続ければ良い。
75歩までで投了となった。