ゴキゲン中飛車、相手の無理攻めをとがめて芸術的完勝!

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ゴキゲン中飛車を採用したところ、いきなり8筋から仕掛けられた。この手は悪手とされているのだが、級位者レベルでは指したくなる人が多いらしい。私も昔はこういう類の手でいきなり攻め込んでいたものだ。

 

せっかくなので、なぜこの手が悪手なのか説明することにしよう。

 

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同歩 同飛 77角 82飛 84歩で上図。

要するに、22銀が不安定なのが痛いのだ。84歩はタダのようだが、同飛には22角成で銀がぼろっととれる仕組みになっている。

 

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8筋から先行したはずが、ここに至っては逆に攻められる格好となっている。それだけでも既に形勢がわかるというものだが、ここからさらに手を緩めずに攻めていく。

 

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65角。43角成と83歩成の両狙いが受からない。楽観的な人なら既に必勝形だと言い張るだろう。確かに、ここではすでに大差になっている。

 

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金得で龍をつくり、大優勢の局面。しかし、いきなり攻め潰すような手があるわけではないのでまだまだ油断はできないところだ。

 

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45角と引いてきた局面。ここでは大事な手がある。

 

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28玉。平凡ながら肝要な一手だ。しかし、この手の良さはなかなかわからないだろう。

 

もし、16歩などと違う手を指してしまうとかなり損をするのだ。

 

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54馬と27の地点を狙われるのが嫌らしいのだ。

 

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28銀で受かるって?確かにそうなのだが、16歩に代えて28玉と指していたらどうだろう。

 

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そう、38銀と美濃囲いの形で受けることができるのだ!これで、28玉を「平凡ながら肝要な一手」と称した理由がおわかりになっただろう。こっそり54馬を先受けしていたのだ。

 

強い人の将棋にはこっそり相手の手を消すような手が多い。

 

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94歩。ぬるいようだが油断のならない一手だ。

 

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のんびりしてると9筋から攻められて損してしまう。ここもこっそり受けておきたいところだ。

 

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66歩が地味な好手だ。

 

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もしも95歩と突いてきたら、65歩で角のラインを遮断する狙いだ。桂馬が跳ねるスペースを失うのは痛いのだが、それ以上に相手の角がひどいと見ている。

 

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相手がなにを思ったか、83銀と打ってきた局面。おそらく、82飛成の筋を受けることで71の銀を62に活用できるようにしたかったのだろう。

 

さて、ここで決め手がある。相手の一番弱いところはどこか。

 

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65桂。53の地点を攻めるのが急所中の急所だ。実戦はここで投了となった。

 

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指すなら62銀くらいだが、45桂とどんどん攻められてまずい。

 

お手本のような完勝となった。